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相続お役立ちコラム

相続人以外の人に遺贈すると一緒に申告する必要がある?

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登場人物
相談者:山岸さん
回答者:FUN税理士法人(以下FUN)
 
【Q:山岸】
私は自分の死後、家族だけでなく、お世話になった人たちにも財産を遺したいと考えています。遺贈という方法なら、相続人でない親族や友人などにも財産を取得させることが可能と聞いたのですが、遺贈とはどのようなものでしょうか。
 
【A:FUN】
遺贈とは遺言によって相続人や相続人以外のものに財産を遺すことで、「包括遺贈」と「特定遺贈」があります。
「包括遺贈」とは財産の全部あるいは一定の割合で財産を分割して贈ることです。財産とは別に、借金の残債等の債務があれば、それらも含めて引き受けてもらうことになります。財産を分割するのと同様に、債務も同じ割合で分割して承継します。
対して「特定遺贈」は、特定の財産を明確に指定して相手に贈ることをいいます。相続人以外に遺贈する場合、何割もの財産を遺贈することなどあまりないので、一般的には特定遺贈をすることになります。特定遺贈はこのように法定相続以外を望む被相続人の想いを実現できる手段の一つですが、いくつかのデメリットがあるため、注意しなければなりません。
 
【Q:山岸】
不動産の相続と遺贈でかかる税金にはどのような違いがあるのですか?
 
【A:FUN】
まず不動産取得税についてです。不動産を相続人が相続したとき、不動産取得税はかかりません。しかし、特定遺贈として相続人以外が特定の不動産を譲り受けた場合には贈られた側に不動産取得税が発生します。ただし、包括遺贈の場合は負債についても同様に引き継ぐこととなるため、相続人と同等の地位を有するものとして不動産取得税は非課税となります。
次に登録免許税についてです。相続や遺贈により不動産の所有者を変更する場合には、所有権の移転登記が必要です。この不動産の名義変更の手続きで必要になるのが登録免許税です。この登録免許税の税率ですが、相続人は固定資産税評価額の0.4%、第三者(包括遺贈の場合を含む)は固定資産税評価額の2%を納めます。仮に固定資産税評価額が1,000万円の場合、0.4%で4万円、2%で20万円になります。立場が違うと登録免許税にこれだけの差が出てくるのです。
 
【Q:山岸】
受遺者※が相続人でないときには相続税がかかるのでしょうか?
※遺贈により財産を取得した人
 
【A:FUN】
受遺者が相続人でない個人の場合は、遺贈により受け取った財産に対して相続税が課税されます。相続人でない受遺者が相続税を申告すると、被相続人の配偶者、一親等の血族、代襲相続人である孫となった者以外は税額が通常の2割増しになるため、注意が必要です。
さらに、相続税の申告手続きは、基本的には同じ被相続人から財産を受けた他の相続人と共同で行う必要があります。これが厄介で、原則として相続人は受遺者に全ての財産を開示して、一緒に相続税を申告しなければならないので、心理的負担が大きくなります。
相続人同士でもいがみあうことがあるのですから、第三者と一緒になって相続税の申告をすることは、相続人にとっても精神的な苦痛になる場合があります。
 
【Q:山岸】
なるほど。それはたしかに子どもたちは嫌がるでしょうね。
遺贈をする場合は、法定相続人の納得を得られるような遺言を遺す必要があるのですね。その他にも注意点はありませんか?
 
【A:FUN】
遺贈には遺留分という問題点があります。
遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に認められた最低限の財産を請求できる権利のことです。遺贈によって相続人の遺留分が侵害された場合、相続人は受遺者に対して、侵害された遺留分に相当する金額の請求を行うことができるのです。遺留分は遺言の内容よりも強い権利といえます。
 
【Q:山岸】
なるほど。遺言を書いて相続人以外の人に財産を遺すことにはいろいろな問題点があるのですね。何かいい方法はないでしょうか。
 
【A:FUN】
孫やお世話になった人に財産を遺したい場合は、遺贈だけでなく生前贈与をすることも一つの方法です。生前贈与であれば、遺言の作成等は必要なく、好きなタイミングで希望の相手に財産を移すことができます。ただし、注意点もあります。
一つ目は、生前贈与も遺留分侵害額請求の対象となる点です。贈与した被相続人と贈与を受けた人の双方が、贈与によって遺留分を侵害すると知っている場合を除き、生前贈与の場合、遺留分請求の対象となるのは基本的に「相続開始前1年間」に行われたものに限られます。ただし、相続人への生前贈与(特別受益)は相続開始前10年以内の贈与が遺留分請求の対象になりますので注意が必要です。
二つ目は、暦年贈与に対する法改正の動きがある点です。今後廃止も含めてなんらかの法改正がされる予定であり、注視が必要です。
生前贈与はメリットもある反面、やり方によってはデメリットが大きい場合があります。専門家に相談しながら進めるとよいでしょう。
 
【山岸】
ありがとうございます。遺贈についてどういうものか、注意点がよくわかりました。
遺贈は、遺言の書き方や受遺者と相続人のトラブルなど心配なことも多いので生前贈与も選択肢の一つとして検討してみたいと思います。改めてご相談させてください。

成年年齢の引下げでどう変わる?

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令和4年4月1日から成年年齢が18歳になり、「契約」「資格の取得」など若者の生活をめぐるさまざまなルールに影響を及ぼしています。今回は、その中でも、成年年齢引き下げに伴う相続税・贈与税への影響について紹介します。
相続税は亡くなった人から財産を引き継いだときにかかる税金、贈与税は個人から財産をもらったときにかかる税金です。相続税や贈与税にも、「20歳」「未成年者」を対象にしている仕組みがいくつかあります。
 
(1)未成年者控除(未成年者の税額控除)
未成年者控除は、相続で財産を引き継ぐ人が未成年の場合、相続税を差し引くことができる制度です。財産を引き継ぐ未成年者が満20歳になるまでの年数1年につき10万円を相続税の金額から差し引くことができます。しかし、令和4年4月以降は満20歳が「満18歳」に変わりますので、控除額が2年分(20万円)少なくなることになります。実質的に負担が増える改正といえるでしょう。
 
(2)相続時精算課税制度
相続時精算課税制度は、60歳以上の父母・祖父母から20歳以上の子や孫が財産をもらったときに利用できる贈与税の特例制度です。相続時精算課税を利用すると、累計2,500万円までは贈与税が非課税になります。現行法上、基本的に年間110万円以下の贈与であれば贈与税がかからない(暦年課税制度)ですが、相続時精算課税を利用することで、一度に多くの財産を贈与できます。
また、暦年課税の税率は超過累進税率といって段階的に上昇(最大55%)しますが、相続時精算課税制度の税率は、2,500万円を超えた部分に一律20%の課税となるので、少ない税負担で高額贈与を行うことも可能です。
令和4年4月以降は、相続時精算課税制度を選ぶことができる年齢が「18歳以上」となります。つまり、より早い段階で相続時精算課税制度が利用でき、若い世代が財産を有効活用できるという点では、メリットのある改正といえます。
 
(3)贈与税の税率の特例
贈与税の税率には「一般税率」と、それよりも税率の低い「特例税率」の2種類があります。特例税率とは、父母・祖父母が20歳以上の子や孫に対して行った贈与について適用されます。この特例税率を受け取れる年齢も、「20歳以上」から「18歳以上」と変更されますので、これまでよりも2年早く低い税率の適用ができるようになります。
 
(4)結婚・子育て資金の一括贈与の特例
結婚・子育て資金の一括贈与の特例は、父母・祖父母から結婚・子育て・育児のためのお金の贈与を受ける場合、1,000万円まで非課税で贈与が受けられる制度です。対象となるのは「20歳以上50歳未満の子・孫」でしたが、令和4年4月以降は「18歳以上50歳未満の子・孫」となります。
 
(5)住宅取得資金贈与の特例
結婚・子育て資金と同様、父母・祖父母から住宅を新築・取得・増改築するためのお金の贈与を受ける場合、500万円~1,000万円まで非課税で贈与が受けられます。対象は「20歳以上の子・孫」でしたが、令和4月以降は「18歳以上の子・孫」となります。
 
※現行法上、(4)(5)の特例が利用できるのは、令和5年3月31日までとなっています。
 
上記の通り、各種特例適用年齢の引下げによるメリットもありますので、ご自身に照らし合わせ、ご検討してみてはいかがでしょうか。

土地の相続でもめないために、事前にできる対策は?

いわゆる、相続で「もめやすい」ケースとして、遺産に土地が含まれているパターンがあります。
土地は、相続財産のなかでも高額になりやすく、預貯金のように簡単には分割できません。
また、金銭で補償するとしても、その土地をどの基準で評価するかなど、なかなか決着のつきにくい問題が出てきやすいのです。
そこで今回は、遺産のなかに土地が含まれているときにできる相続対策について説明します。
 
 
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土地の評価額を確認する

 
まず、土地の評価方法としては、主に以下の4点があります。
 

ア.固定資産税評価額

固定資産税の課税明細書や評価証明書で確認する方法。
基準として明確です。
ただし、公示地価の約7割を目安に設定されているといわれており、実際の取引価格よりも低い場合が多くあります。
 

イ.相続税評価額(路線価、倍率評価)

国税庁が公表している路線価で確認する方法。
基準として明確です。
ただし、公示地価の約8割を目安に設定されているといわれており、上と同じく、実際の取引価格よりも低い場合が多くあります。
 

ウ.公示地価

国土交通省が公表している公示地価で確認する方法。
時価に近いといわれています。
ただし、全ての土地の評価が出るわけではなく、実務上はあまり有用とはされていません。
 

エ.不動産鑑定評価額

不動産鑑定士が鑑定評価する方法。
時価に近いといわれています。
ただし、数十万円〜百万円程度の不動産鑑定料が必要になります。
 
 

相続人全員が納得できる評価額を目指す

 
土地の遺産分割協議では、上記のような評価方法を参考にしながら、相続人間で評価方法について合意できるかどうかを調整します。
合意が得られなかった場合は、各相続人が不動産鑑定士に査定を依頼して、上記「エ.不動産鑑定評価額」を算出することになります。
ただし、評価額に幅があり、ある一定の相続人に有利または不利に評価されていることもあるため、全相続人が出した査定額の中間値で合意することもあります。
 
それでも合意できなければ、裁判所に遺産分割調停を申し立て、調停で協議を続けていくことになります。
その場合、土地の評価については、裁判所が不動産鑑定士を選任し、その鑑定結果に準じて遺産分割協議を進めていくことになります。
上記記載の通り、鑑定費用は高額になることが多く、鑑定を求めた相続人が前もって納付する必要があるので、注意が必要です。
 
また、土地が誰かに賃借されている(土地賃借権)、あるいは無償で使用されている(使用貸借)場合、土地だけの評価額よりも差し引いて評価されます。
簡易な方法として、更地価格に借地権割合を乗じた借地権を差引いて算出することが一般的です。
借地権割合は国税庁が定めたもので、地域によって差はありますが、更地価格の30~90%とされます。
 
もし、これで相続人間の合意が得られない場合は、さらに鑑定を行うこともあります。
また、賃貸人と賃借人が親族関係にある場合には個別に評価を行っていく必要があります。
 
土地をどのように評価し、どのくらいの金額で合意するかは、各相続人が具体的に相続する分を算定する際に大きくかかわることです。
共同相続人の1人が土地を取得し、ほかの相続人に『代償金』を支払うという形で解決する場合は、この土地をいくらで評価するかによって、支払うべき、あるいは支払ってもらうべき代償金の額が大きく変わるため、まさに土地の評価は遺産分割協議の要といえるでしょう。
 
相続財産のなかに土地が含まれている場合は、できるだけ早いうちに評価額を調べ、どうすれば公平かつ速やかな遺産分割ができるのかシミュレーションするなどして、事前に対策をとっておきましょう。
 
 
※本記事の記載内容は、2022年5月現在の法令・情報等に基づいています。

個人事業主の方必見!相続税の節税になる法人化のメリットとデメリットを知っておこう

相続税の節税対策の一つに、事業の法人化があります。
相続税は個人の財産に対して課されるため、個人事業主として営んでいる事業があれば、新たに法人を設立し、事業に関する財産を個人所有から法人所有に切り替えることで、相続税の額を減らすという方法です。

また、将来的な相続人をその法人の役員にして、「役員報酬」という形で法人から給与を支払うことで、相続税も贈与税もかからずに、財産を移転させることが可能になります。

 一方で、相続税対策として法人を設立する際には、さまざまな注意点も存在します。
そこで今回は、個人の財産を問題なく移転するための法人化について説明します。

 
 

 
 

法人化は生前にできる財産移転の一つ

 

相続税とは、相続人が被相続人から現金や預金、株券や不動産などの財産を取得する際に課される税金で、財産の評価額が大きければ大きいほど、納税する額が増える累進課税制度により計算される税金です。
ただし、相続税には基礎控除額が設定されており、下記の式で求められる額を下回る財産分については課税されることがありません。

 
 

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

 

つまり、基礎控除額を超える財産を所有している場合に相続税が発生するため、被相続人が所有している財産を生前に極力減らしておくことが、節税対策になるというわけです。
 
相続税の節税対策には、相続人への生前贈与や生命保険の非課税枠の利用など、さまざまな方法がありますが、特に効果が大きいといわれているのが、事業の法人化です。
相続税は個人が所有している財産を対象にした税金なので、法人が所有している財産に相続税はかかりません。
法人に財産を移転することによって、被相続人が所有している財産は減るため、その額を基礎控除額以下にすることも不可能ではありません。
つまり、「相続が発生する度に毎回高い相続税を払わなければならない」という状況から脱却できる可能性があるということです。
 
また、財産を引き継がせたい家族を法人の役員にして役員報酬を支払えば、贈与税を支払わずに生前に財産を移転することが可能になり、それと同時に、法人側で経費計上することも可能になります。
 
贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に個人から贈与を受けた財産の合計額から、110万円の基礎控除額を差し引いた額に対して課税されます。
毎年、110万円以下の贈与を受ける場合には、贈与税は発生しませんが、それ以上の額を贈与された場合には、贈与税を納める必要があります。
 
しかし、設立した法人から役員報酬として支払われる給与には、たとえ社長が親で、役員が子であったとしても贈与税の対象にはなりません。
また、役員は社員ではないので、時間や場所の拘束を受けないため、毎日のように事業所へ通勤させる必要もありません。
このように法人化は、相続税の節税という面では、とても有効といえるのです。


 
 

法人化のデメリットと抱えるリスク

 

一方で、相続税の節税目的で行う法人化には、さまざまな問題が発生します
 
まず、会社を設立するには、手間もかかりますし、株式会社の設立には最低でも20万円ほどの費用がかかります。
そして、実際に個人所有の財産を法人に移す際には、譲渡所得税、不動産取得税、登録免許税等が課税されることもあります。
さらに、法人設立後は、毎年、法人税や地方税を納めなければいけません。
特に、地方税の一つである法人住民税は、法人が赤字だったとしても均等割の分を納める必要がありますので注意が必要です。
 
また、そもそも事業を運営している実態がないと法人とは認められません。
相続人を役員にしたことで、会社の運営にまつわるトラブルが発生することも考えられるでしょう。
もちろん、会社法に則って法人を運営していく必要がありますし、運営にともなう会計処理も必要になってきます。
個人事業主の場合とは異なり、法人の会計は複雑で、そのための勉強もしなければなりません。
 
このように、事業の法人化は相続税以外の部分でデメリットが出てくる可能性があります。
また、事業が悪化すれば、移転したはずの財産も減っていきます。
こうなってしまうと、わざわざお金と手間をかけて法人を設立したこと自体が逆効果になってしまいかねません。
法人化による相続税の回避は、リスクも含んだ節税方法だということをよく理解しておくことが重要です。
 
相続税を納めることになってもあえて法人化しないで相続した方がよいのか、それとも、法人化して相続税の節税を実行した方がよいのか。この判断を行うには、個人財産総額、事業所得金額、ご自身の年齢などから、多角的な視点から検討する必要があります。

弊社でもこのような法人化のサポートを行っておりますので、ご興味のある方は是非ご連絡ください。

親の土地に家を建てる時に、知っておきたい相続対策

親の土地に家を建てることについては、近い距離に住んで親を安心させられ、親孝行ができるというメリットのほかに、土地代が不要になるという経済的な利点も多々あります。
しかし、将来、親が亡くなって相続が発生した場合には、事前に相続対策をしておかないと、思いもよらない税金がかかることがあります。
今回は、子どもが親の土地に家を建てる際のポイントを紹介します。
 

 
 

想定外の税金が生じるおそれがある

 
<無償で親の土地を借りて家を建てる場合>
親の土地に子どもが家を建てる場合、子どもが親の土地を無償で借りる(使用貸借といいます)のであれば、贈与税などの税金はかかりません。
ですが、使用貸借の場合は、親が亡くなった際の相続税が高くなります。
なぜなら、長男は賃料を払っていないため、借地権という土地に対する権利を得ることができないからです。
その土地は100%親の土地ということになり、土地全体に対して相続税がかかるのです。
 
<有償で親の土地を借りて家を建てる場合>
一方、一定額の賃料を支払って有償で借りる場合で、賃借契約が成立した際にお礼として支払う権利金を支払わなかったとします。
その場合、子どもが親から借地権を無償で取得したとみなされる可能性があります。そうすると、権利金相当額については親が子どもに土地を贈与したとみなされ、子どもに贈与税がかかるおそれがあります。
借地権の設定には、基本的に一定額の地代と権利金の両方が必要になるのです。
ただし、権利金も賃料も支払う場合、子どもに贈与税がかかる心配はありませんが、これらは親の収入になるため、親に対して所得税や住民税などがかかります。
 
結局のところ、親の土地を借りて家を建てる場合は、無償と有償どちらがいいのでしょうか。
これは様々な要因があるため、一概には言えませんが、一般的には無償で親から土地を借りて家を建てる場合が多いようです。
 
子どもが親の土地に家を建てる場合は、想定外の税金がかからないよう十分に検討をしてみましょう。
 
※本記事の記載内容は、2021年11月現在の法令・情報等に基づいています。

 

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