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相続お役立ちコラム

個人事業主の方必見!相続税の節税になる法人化のメリットとデメリットを知っておこう

相続税の節税対策の一つに、事業の法人化があります。
相続税は個人の財産に対して課されるため、個人事業主として営んでいる事業があれば、新たに法人を設立し、事業に関する財産を個人所有から法人所有に切り替えることで、相続税の額を減らすという方法です。

また、将来的な相続人をその法人の役員にして、「役員報酬」という形で法人から給与を支払うことで、相続税も贈与税もかからずに、財産を移転させることが可能になります。

 一方で、相続税対策として法人を設立する際には、さまざまな注意点も存在します。
そこで今回は、個人の財産を問題なく移転するための法人化について説明します。

 
 

 
 

法人化は生前にできる財産移転の一つ

 

相続税とは、相続人が被相続人から現金や預金、株券や不動産などの財産を取得する際に課される税金で、財産の評価額が大きければ大きいほど、納税する額が増える累進課税制度により計算される税金です。
ただし、相続税には基礎控除額が設定されており、下記の式で求められる額を下回る財産分については課税されることがありません。

 
 

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

 

つまり、基礎控除額を超える財産を所有している場合に相続税が発生するため、被相続人が所有している財産を生前に極力減らしておくことが、節税対策になるというわけです。
 
相続税の節税対策には、相続人への生前贈与や生命保険の非課税枠の利用など、さまざまな方法がありますが、特に効果が大きいといわれているのが、事業の法人化です。
相続税は個人が所有している財産を対象にした税金なので、法人が所有している財産に相続税はかかりません。
法人に財産を移転することによって、被相続人が所有している財産は減るため、その額を基礎控除額以下にすることも不可能ではありません。
つまり、「相続が発生する度に毎回高い相続税を払わなければならない」という状況から脱却できる可能性があるということです。
 
また、財産を引き継がせたい家族を法人の役員にして役員報酬を支払えば、贈与税を支払わずに生前に財産を移転することが可能になり、それと同時に、法人側で経費計上することも可能になります。
 
贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に個人から贈与を受けた財産の合計額から、110万円の基礎控除額を差し引いた額に対して課税されます。
毎年、110万円以下の贈与を受ける場合には、贈与税は発生しませんが、それ以上の額を贈与された場合には、贈与税を納める必要があります。
 
しかし、設立した法人から役員報酬として支払われる給与には、たとえ社長が親で、役員が子であったとしても贈与税の対象にはなりません。
また、役員は社員ではないので、時間や場所の拘束を受けないため、毎日のように事業所へ通勤させる必要もありません。
このように法人化は、相続税の節税という面では、とても有効といえるのです。


 
 

法人化のデメリットと抱えるリスク

 

一方で、相続税の節税目的で行う法人化には、さまざまな問題が発生します
 
まず、会社を設立するには、手間もかかりますし、株式会社の設立には最低でも20万円ほどの費用がかかります。
そして、実際に個人所有の財産を法人に移す際には、譲渡所得税、不動産取得税、登録免許税等が課税されることもあります。
さらに、法人設立後は、毎年、法人税や地方税を納めなければいけません。
特に、地方税の一つである法人住民税は、法人が赤字だったとしても均等割の分を納める必要がありますので注意が必要です。
 
また、そもそも事業を運営している実態がないと法人とは認められません。
相続人を役員にしたことで、会社の運営にまつわるトラブルが発生することも考えられるでしょう。
もちろん、会社法に則って法人を運営していく必要がありますし、運営にともなう会計処理も必要になってきます。
個人事業主の場合とは異なり、法人の会計は複雑で、そのための勉強もしなければなりません。
 
このように、事業の法人化は相続税以外の部分でデメリットが出てくる可能性があります。
また、事業が悪化すれば、移転したはずの財産も減っていきます。
こうなってしまうと、わざわざお金と手間をかけて法人を設立したこと自体が逆効果になってしまいかねません。
法人化による相続税の回避は、リスクも含んだ節税方法だということをよく理解しておくことが重要です。
 
相続税を納めることになってもあえて法人化しないで相続した方がよいのか、それとも、法人化して相続税の節税を実行した方がよいのか。この判断を行うには、個人財産総額、事業所得金額、ご自身の年齢などから、多角的な視点から検討する必要があります。

弊社でもこのような法人化のサポートを行っておりますので、ご興味のある方は是非ご連絡ください。

親の土地に家を建てる時に、知っておきたい相続対策

親の土地に家を建てることについては、近い距離に住んで親を安心させられ、親孝行ができるというメリットのほかに、土地代が不要になるという経済的な利点も多々あります。
しかし、将来、親が亡くなって相続が発生した場合には、事前に相続対策をしておかないと、思いもよらない税金がかかることがあります。
今回は、子どもが親の土地に家を建てる際のポイントを紹介します。
 

 
 

想定外の税金が生じるおそれがある

 
<無償で親の土地を借りて家を建てる場合>
親の土地に子どもが家を建てる場合、子どもが親の土地を無償で借りる(使用貸借といいます)のであれば、贈与税などの税金はかかりません。
ですが、使用貸借の場合は、親が亡くなった際の相続税が高くなります。
なぜなら、長男は賃料を払っていないため、借地権という土地に対する権利を得ることができないからです。
その土地は100%親の土地ということになり、土地全体に対して相続税がかかるのです。
 
<有償で親の土地を借りて家を建てる場合>
一方、一定額の賃料を支払って有償で借りる場合で、賃借契約が成立した際にお礼として支払う権利金を支払わなかったとします。
その場合、子どもが親から借地権を無償で取得したとみなされる可能性があります。そうすると、権利金相当額については親が子どもに土地を贈与したとみなされ、子どもに贈与税がかかるおそれがあります。
借地権の設定には、基本的に一定額の地代と権利金の両方が必要になるのです。
ただし、権利金も賃料も支払う場合、子どもに贈与税がかかる心配はありませんが、これらは親の収入になるため、親に対して所得税や住民税などがかかります。
 
結局のところ、親の土地を借りて家を建てる場合は、無償と有償どちらがいいのでしょうか。
これは様々な要因があるため、一概には言えませんが、一般的には無償で親から土地を借りて家を建てる場合が多いようです。
 
子どもが親の土地に家を建てる場合は、想定外の税金がかからないよう十分に検討をしてみましょう。
 
※本記事の記載内容は、2021年11月現在の法令・情報等に基づいています。

暦年課税制度廃止の予兆!

 

年間110万円以内の贈与であれば、贈与税がかからない!

 
税金に詳しくない方でも、一度はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。この贈与の仕組みを「暦年課税制度」といいます。この暦年課税制度を利用して、相続財産を生前に子どもや孫にたちに移転していけば、将来の相続税負担を減少させることができます。
 
しかし、2020年12月に令和3年度税制改正大綱が発表され、相続税節税対策の王道ともいえる暦年課税のあり方について抜本的な見直しが行われる可能性が示唆されました。具体的には、下記のような文章が記載されました。
 

諸外国では、一定期間の贈与や相続を累積して課税すること等により、資産の移転のタイミング等にかかわらず、税負担が一定となり、同時に意図的な税負担の回避も防止されるような工夫が講じられている。
今後、こうした諸外国の制度を参考にしつつ、相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直すなど、格差の固定化の防止等に留意しつつ、資産移転の時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める。(令和3年度税制改正大綱より抜粋)

 
端的に言えば、
「富裕層にとって有利な暦年課税制度について制限を加えるか、そもそも制度自体を廃止する方向で検討が進められている」
ということです。
 
 

欧米の税制とは?

 
それでは、諸外国では、財産を生前贈与についてはどのように取り扱われているのでしょうか?実は、諸外国では、生前に財産を譲るのか、それとも、死後に相続で譲るのかという、「財産を譲るタイミング」に関わらず、一定期間の財産移転に関して累積して課税するなどしており、現行の日本の制度のように、生前贈与による税負担の回避を防止する仕組みが構築されています。
 
アメリカ・イギリス
亡くなった時点での財産と過去に譲り受けたすべての贈与額の合計額が相続税の対象になります。(一生累積課税)
 
ドイツ・フランス
亡くなった時点での財産と、亡くなる前の一定期間内(ドイツ10年・フランス15年)に譲り受けた贈与額の合計額が相続税の対象になります。(一定期間累積課税)
 
日本でも諸外国のように相続税と贈与税を等しく扱い、意図的な税負担の回避が行われないように、相続税と贈与税を一体化される可能性があります。
 
 

今できること

 
相続税と贈与税が一体化されると、生前贈与で財産を譲り受けた人と、相続で財産を譲り受けた人とで、税額の差が無くなる可能性があります。つまり、暦年課税制度を利用した生前贈与が相続税の節税対策として機能しなくなる可能性があるということです。
 
具体的にどのような課税制度になるか、いつから新制度が適用されるのかはまだ公表されていませんが、早ければ令和4年度から新しい制度に切り替わる可能性も考えられます。これまで暦年課税贈与を繰り返していた方は、令和3年の贈与は思い切って例年より多めに贈与してみるのもありかもしれません。

被相続人への貢献度を評価!遺産分割の『寄与分』と『特別の寄与』

家族が亡くなり、相続が起きると、相続人の間で遺産分割協議を行うことになります。
相続人の一人が、自分はほかの相続人よりも被相続人(亡くなった方)に尽くしてきたとして、その貢献度を相続分に反映してほしいと考えた際、どのようなケースであれば可能なのでしょうか。
今回は、ある相続人が、被相続人の生活の世話をしていたり、財産の増加に特に貢献していたりした場合に、ほかの相続人よりも相続財産を多く分けてもらうことができる『寄与分』について説明します。
  

 

財産維持などへの貢献を反映する『寄与分』

 
遺産分割協議を行う際の法定相続分は、民法900条に規定されています。
たとえば、母親が亡くなり、相続人が長男と長女の二人であった場合、母親(被相続人)が残した財産の相続分は、長男・長女がそれぞれ2分の1ずつです。
しかし、長女が、「自分は長年母親の面倒を見て介護もしてきたのに、何もしてこなかった長男と同じでは納得できない」と主張するかもしれません。
民法には、相続人の被相続人に対するこのような貢献を遺産分割に反映させる制度が定められており、これを『寄与分』といいます。
 
寄与分は、『共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者』がいる場合に認められます(民法904条の2)。
 
ただし、寄与分として認められる貢献は、被相続人と相続人の身分関係(夫婦関係、親子関係等)に基づいて、通常期待されるような程度を超える貢献とされています。
無償性、専従性、継続性等が必要となり、さらに、被相続人の財産が維持または増加したことも必要です。
 
たとえば、“被相続人が経営していた会社に関与したことにより、会社が大きく売上を伸ばした”、“相続人が金銭的援助をしたことにより会社が経営難から立ち直った”、“通常はヘルパーを頼むところを一定期間休職し、被相続人の介護を全面的に担った”などの場合がそれにあたります。
 
このように考えると、実際に寄与分が認められるケースはそう多くないといえるでしょう。
 
 

相続人以外でも主張できる『特別の寄与』

 
寄与分は、相続人間の公平のための制度なので、寄与分を主張できるのは相続人に限られていました。
しかし、2019年の民法改正で、相続人以外の人の貢献を考慮するため、相続人に対し寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)を請求できる『特別の寄与』の制度が設けられました(民法1050条)。
 
そこには、先述した民法904条の2にはない、無償要件が明記されています。
『被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族』が、相続人に対し、その寄与に応じた額の金銭の支払いを請求することができるようになりました。
 
たとえば、母親が亡くなり、相続人が長男と長女の二人である場合に、母親と長男夫婦が同居していて、母親を献身的に介護していたのは長男の妻であったとします。
従来、寄与分は、相続人にのみ認められる制度のため、相続人ではない長男の妻が献身的に母親を介護していたとしても、長男の妻は寄与分を主張することはできませんでした。
裁判所としては、長男の妻を長男と一体であるものとみて、相続人である長男の寄与分として認める等により、被相続人である母親に貢献した長男の妻の救済を図ることもありましたが、相続人以外の人の貢献を考慮することは難しいのが現実でした。
しかし、特別の寄与の制度が新設されたことによって、相続人以外も寄与分を主張できるようになったのです。
より一層、実態に即した遺産分割が可能になったといえるでしょう。
 
相続が開始したら、相続人同士はそれぞれの立場を思いやることが大切です。
被相続人に尽くしてきた相続人がいる場合には、遺産分割協議の際にその相続人に配慮する等して、円滑に協議を進められるようにしたいものです。
 
※本記事の記載内容は、2021年6月現在の法令・情報等に基づいています。

相続登記が義務化!土地を国庫に帰属できる制度も

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所有者がわからなかったり、所有者がわかったとしても連絡がつかなかったりする土地のことを『所有者不明土地』といいます。
登記簿や課税台帳等の土地所有者がわかるデータベースが、相続の際にきちんと更新されていないことが主な原因であるため、対策として法整備が進められています。
そのなかの一つが、2024年をめどに施行される『相続登記の義務化』で、これは土地や建物の相続を知った日から3年以内に登記を行うことを義務づけるものです。
今回は、『相続登記の義務化』について説明します。
 
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増え続ける所有者不明土地

 
国土交通省によれば、日本全国の土地の所有者不明率は約2割、土地面積に直すと約410万haとなります。
九州の土地面積は368万haであることから考えても、これは相当大きな面積であるといわざるをえません。
 
所有者不明土地は、土地の相続時に遺族が相続登記(名義変更)を行わなかったり、所有者が所在不明になったりすることが原因で生まれ、今なお増加傾向にあります。
 
現状の法制度では相続登記は任意とされているため、放置されることも多いのが現状です。
結果として、遺産分割をしないまま相続が繰り返されることにより、土地の共有者が増え、共有者全員と連絡が取れなくなった末に、所有者不明土地となってしまうケースもあります。
 
土地を売却する際には所有者全員の同意が必要ですが、所有者不明土地の場合、何世代にもわたる相続人全員に連絡を取るには多大な手間やコストがかかりますし、そもそも連絡が取れない可能性もあります。
そうなると、公共事業や再開発の妨げになるばかりか、土地取引の機会を奪い、不動産の流動性が低くなるなどのデメリットが生じます。
所有者不明土地があることによる経済的な損失額は、約6兆円にもなるという試算も出ています。
 
 

所有者を明らかにするための法改正

 
所有者不明土地を減らしていくには、土地の所有者にきちんと登記をしてもらい、権利の所在を明らかにしておく必要があります。
 
そこで2021年4月には、所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直しとして、『民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法』が成立しました。
 
これにより、土地や建物を相続したことを知った日から3年以内に登記を行うことが、2024年をめどに義務化されることになりました。
そして、遺産分割で所有者になった場合には、分割の日から3年以内に登記を行わなければならなくなり、もし、正当な理由なく3年以内に登記を行わなかった場合は、10万円以下の過料に処せられることになります。
 
また、登記後に転居などによって所有者の連絡先がわからなくなってしまうことがないように、所有者の氏名や住所に変更があった場合には、変更のあった日から3年以内に変更登記をすることも、2026年までに義務化される予定です。
これに違反した場合は5万円以下の過料に処せられます。
 
 

所有者不明土地の発生を防ぐための制度

 
土地を相続した際に、一定の条件を満たすことで国庫に帰属させることのできる制度(相続土地国庫帰属制度)も新設されます。
 
所有者は、負担になる可能性のある農地や山林などを手放したいときに、法務局に申請して、審査を経ることで国有地にすることができるのです。
ただし、建物がある土地や、境界線や所有権などの紛争を抱えている土地、道路などへの使用が予定されている政令で定められた土地などは、国庫に帰属させることはできません。
また、土地を手放してからも10年分に相当する管理費を国に支払う必要があります。
 
今回の改正により用意されたのは、相続登記の義務化、住所変更登記の義務化とあわせて、所有者不明土地の発生を予防するための制度です。
土地を所有し続けることと、手放すことのメリット・デメリットをよく考えたうえで、制度を利用するかどうかを選択しましょう。
 
これらの法改正は施行までに期間があります。
しかし、もし現状で相続登記が済んでいない土地があるのであれば、将来売却するときのためにも、今のうちから登記しておくほうがよいでしょう。
 
※本記事の記載内容は、2021年8月現在の法令・情報等に基づいています。

 

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